当財団について

2020年度の展望とビジョン

2016年度の開始にあたり、生命科学に関連する自然科学研究の現状と今後を展望し、中期的な動向として、以下の諸点に注目しました。

  1. 科学と社会の関わり: 生命にかかわる自然科学の裾野はますます拡大しており、情報科学、環境科学、ロボティクス、宇宙工学などへと多様な広がりと連関をみせております。加えて、生命科学研究の課題の設定や遂行に際して、地球規模の環境問題、人口問題や公衆衛生問題、生物多様性問題、経済の持続可能性の追究等、社会的側面からの考察の必要性が拡大しています。
  2. 生命科学における技術革新: 近年、生命科学分野では細胞運命のリプログラミングやゲノム編集技術の進展、あるいは人類の前に立ちはだかる癌、病原体などの新生物や感染症の脅威への挑戦等に代表されるように、生命科学の新展開は、生命現象や疾病の理解を飛躍的に進め、画期的医療応用や 健康社会の実現に向けた新たな技術革新の時代を迎えつつあります 。
  3. 次世代人材育成: 一方で、我が国においては少子高齢化社会による人口減少の結果、生産人口の急速な減少とともに、自然科学研究者の育成が喫緊の課題となっております。又大学の財務基盤の脆弱化、有期雇用形態の増加等、キャリアパスへの不透明感が深まり、次世代を担う中堅および若手研究者の基礎研究に対する挑戦意欲の減退が強まりつつあると認識します。
  4. 研究支援の動向: イノベーションの重点化施策と相まって、研究成果が社会還元へ直結することを求められ、又短期的な成果を求める傾向も強まり、研究活動の基盤である競争的研究資金の配分にそれらが大きく影響を受けております。

財団の設立以来、生命関連の自然科学基礎研究の重要性を認識し、幅広い研究振興事業を続けてきた当財団にとって、今後の研究動向が内包する諸課題を見据えた上で、 自然科学基礎研究のイノベーションを担い、人類の共通資産となる「知」の最前線を開拓できる人材の育成・確保に向けて、諸事業を展開することが最重要である考えます。

今後、各事業年度の事業を展開するにあたっては、研究者育成の視点に立って公益事業の内容を常に振り返り、特色ある研究助成ならびに研究支援を継続的に提供していくことを目指してまいります。

以 上

内藤コンファレンス
2021年度の内藤コンファレンスは、新型コロナウィルス感染症の影響を踏まえ、中止することといたしました。なお、2022年度開催につきましては決まり次第お知らせいたします。